水道水の危険性、シャワーの水は飲んでも平気?健康への影響は?
水道水は毎日生活していくためには欠かせないものです。皆さんは毎日使う水道水の成分をご存知ですか?
こちらのページでは水道水の成分のことや実は飲むと危険なのか、などをご紹介したいと思います。
シャワーの水は飲んでも大丈夫?
お風呂のシャワーの水は蛇口から直接流れる水ということで、不安に思う方も多くいらっしゃいます。
まず日本の水道水について解説いたします。
日本の水道水はそのまま飲める
日本の水道水は、水道法で定められた「水道水質基準」に沿った水です。
世界で10ヵ国しかないと言われているそのまま飲める水道水ということです。
ですので、シャワーの水もそのまま飲めると言えます。
■ 参考サイト/東京都水道局HP:よくある質問「浄水器は必要なのでしょうか」
水質基準を保って雑菌の繁殖を抑えている
水道水は、水道法で定められた「水道水質基準」を保つために、水にいる殺菌を除去する必要があります。
浄水場では、季節や水質の状態などにより塩素の濃度は変動します。
ですので、浄水場から近い地域では塩素濃度が濃く、遠くなれば塩素が蒸発していくため、地域によって差が出ます。
カルキ臭や塩素臭が地域や、建物の高さで違うのはそれが理由です。
水道法第4条
・病原生物に汚染され、又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を含むものでないこと。
・シアン、水銀その他の有毒物質を含まないこと。
・銅、鉄、フッ素、フェノールその他の物質をその許容量をこえて含まないこと。
・異常な酸性又はアルカリ性を呈しないこと。
・異常な臭味がないこと。ただし、消毒による臭味を除く。
・外観は、ほとんど無色透明であること。
■ 出典:e-Gov法令検索「水道法」
シャワーの水をもっと良くする方法は?
水道水質は病原菌などに対しての消毒効果があり、人に対して影響はありませんが、塩素が入っていることで髪の洗い心地などが気になることがあります。
そんな場合はシャワーヘッドを「塩素除去」の効果があるものに交換すると、髪がキシキシしたりすることを防ぐことができます。
注意!
水道水に指示薬を入れると色は変わります
水道水が安心して飲みたい気持ちを利用した悪質な訪問販売の業者が横行しています。
近年健康に関する意識が高まり、ウォーターサーバーや浄水器の利用が増えているため「水道水は危険」「有害な物質が含まれている」と不安を煽り浄水器や飲み水を販売する業者がネットや訪問販売が消費者センターや水道局に報告されています。
■ 町田市HP:水道局を装った悪質な訪問販売にご注意を!
その中でよくある事例で水道水に薬品を入れて色が変わることで、水質が悪い・有害な物質が含まれていると言い、浄水器などの商品を紹介・販売する業者がいます。
日本の水道水は浄水場で病原菌(腸管系の病原微生物など)を除去するために塩素消毒が施されているので、家庭に届くまでに塩素は蒸発し薄まって残留塩素となっているので、薬品は反応します。
だからといって「水質が悪い・有害な物質が含まれている」という結論にはなりません。
ですので、不安ばかり煽る訪問販売やネット広告などにはご注意ください。
■ 東京都水道局HP:よくある質問
「浄水器の訪問販売が来ました。水道水に薬品を入れ黄色く変わるのを見て不安になりました。水道水は大丈夫なのでしょうか。」
水道水に含まれる塩素の濃度は?
日本の水道水は衛生確保のために塩素が必要です。ですが、人体に害があってはいけませんので浄水場では時間の経過で減少するように適正な管理がされています。
そのおかげで現在もそのまま飲める水道水が存在しています。
日本の水道水に含まれる残留塩素の濃度は1リットル中0.1mg以上・0.4mg以下と定められています。
この濃度は浄水場から遠くなれば低くなり、蛇口から汲んで常温で3日以上放置すると蒸発します。
▼ 参考サイト
■ 東京都水道局:残留塩素の低減化・残留塩素の適正な管理
■ 東京都水道局:くみ置く際の留意事項
塩素に反応する指示薬とは?
一体どんな薬品(指示薬)が水道水に含まれる塩素(残留塩素)に反応するのでしょうか?
水道水の塩素濃度はpH値で確認することができます。ですので、日本の水道水のpH値を知っておきましょう!
水道水のpH値は5.8~8.6
水道水のpH値は水道法により5.8以上8.6以下になるように管理されています。
pH値は7を中性とし、7以下になれば酸性、7以上になるとアルカリ性が強くなります。
では、指示薬について解説いたします。
水道水が黄色に変色する指示薬
メチルオレンジ メチルオレンジ溶液 | |
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酸性のpH1~2は赤色 pH3を超えると徐々にオレンジ色 アルカリ性が強くなるpH5では黄色 | |
メチルオレンジ溶液の変色域はpH値3.1~4.4で、ph値が4.4以上になると黄色になるため、水道水に入れると黄色に変色します。 |
水道水が赤色やピンクに変色する指示薬
フェノールフタレイン フェノールフタレイン溶液 | |
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pH8以下では無色透明 ph8以上になると赤色(ピンク色) | |
フェノールフタレイン溶液の変色域はpH値8.0~9.8で、水道水に入れると赤色(ピンク色)に変色します。 |
水道水が緑色や青色に変色する指示薬
BTB溶液 ブロモチモールブルー溶液 | |
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pH6以下では黄色 ph6~7.6で緑 pH7.6以上になると青色 | |
BTB溶液の変色域はpH値6.0~7.6で、水道水に入れると緑色や青色に変色します。 |
残留塩素はアルカリ性
水に溶けている塩素と考えると酸性なイメージがありますが、水道水に含まれる塩素は塩酸ではないので酸性ではありません。
水道水は残留塩素の影響でアルカリ性になっていることが多く、pH値で見ると地域によって差があります。
誰でも購入できる水質検査キット
浄水器やシャワーヘッドを塩素除去効果があるものに換えても、実際に塩素がどれだけ除去されたのかを目で見てチェックしたい方には、ネット通販などで気軽に買える「水質キット」をご紹介いたします。
訪問販売員もこういった水質キットを用いて商品を紹介しているかもしれません。
水道水には水質を守るために必ず塩素が含まれているので、検査キットを使うと水の色が変わるのは当たり前のことを、ご自身で確かめてみるのもいいかもしれません。
簡易水質検査キット
理化学ガラスの老舗メーカーであるSIBATAの「簡易水質検査キット シンプルパック 遊離残留塩素測定用 DPD法」は軽くて小型な分析セットです。
■ SIBATA公式サイト
商品情報 | |
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遊離残留塩素測定用 DPD法 ■ 商品詳細 | |
反応時間 | 10秒 |
色の変わり方 | 淡いピンク色→濃ピンク色 淡桃→濃桃 |
メーカー小売希望価格 | 4,730円(税込) |
こんな水道水には注意!
いつも使っている水道水やシャワーの水がいつもと違うと感じたら、使用を止めてお住いの水道局にご相談ください。
赤茶色の水はよく流してから使う
蛇口やシャワーの水の使い始めが「赤茶色」の場合は、1分程度水を流し続けてみてください。
この水は「赤水」と呼ばれ、水道管に生じた鉄さびが原因で水道水に色が付いてしまっています。
▼ 解消方法
赤水がお客様の家だけで起きていて数分水を流すときれいな水になる場合は、家の給水管の交換をおすすめいたします。
近隣のお宅でも赤水が出ている場合は、水道局に電話をすると配水管の排水作業などでをおこなってくれます。
水道水の味がいつもと違う
原因は給水管の材質かと考えられます。使用し続けている給水管内のさびや、新しい給水管の接着剤のにおいなどが水道水に溶けて、普段とは違う味になっている可能性があります。
▼ 解消方法
朝一番に1分以上水を流し続けたあとに飲み水にしてみましょう。飲むたびにこの作業を2週間程度続けても、においや味が違っている場合はお住いの水道局に相談をしてみましょう。
もしくは、お手頃な浄水器を取り付けてみましょう。ご自身が水道水が苦手になったということも考えられます。
水道水がカビ臭い
水道水の水源が、河川や貯水池の場合はカビ臭の原因となるアナベナ・オシラト・フォルミジウムなどの藍藻類が、浄水場で完全に除去できる繁殖している可能性があります。
▼ 解消方法
お住いの水道局にカビ臭について報告し、相談をしておきましょう。
カビ臭のある水道水を飲み水にしたい場合は、やかんに水道水を入れ沸騰させて5分~10分弱火で加熱してから冷ますと、においを抑えることができます。
蛇口から虫?そんなことありえる?
上下水道の管理や水道水の水質は、昭和に比べると令和の現代は整備され質も向上しています。
平成初期では「東京の水はまずい」と言われていましたが、現在東京都の水道水は高度浄水処理をされ各家に送られています。
通常の浄水処理に加え、オゾンの酸化力と生物活性炭で浄水処理をしていることで、よりトリハロメタンや有機物はもちろんにおいもほぼ除去できるように品質管理をされているので、都心の水だからと言って危険でまずいというイメージは薄れてきています。
実話!蛇口からハリガネムシ
ネットでは時折「蛇口からハリガネムシが出てきた」と昭和後期に起きた事例が話題になることがあります。
1991年(平成3年)に発表された「ハリガネムシの研究-飲料水から検出事例に関する考察-」には、1983年(昭和58年)に飲料用水道の給水装置(蛇口)からハリガネムシの一種が出てきたとあります。実際にこの時代には他にも約20の地方自治体から似たような事例が報告されていたそうです。
この事例に対する調査や研究が進み、現代ではこういった昆虫やハリガネムシが浄水処理施設内に侵入を防止する対策がされています。
■ 参考資料:日本水処理生物学会誌 掲載「ハリガネムシの研究-飲料水から検出事例に関する考察-」
浄水処理はろ過を繰り返し水をきれいにする
浄水処理と聞くと滅菌・殺菌をしているのでは?と思い水道水を口にするのを怖がる方もいます。実際は浄水処理は、ろ過を繰り返し水をきれいにしています。
そして各家庭に水を送る段階で、病原性微生物の殺菌のために塩素消毒をおこない、コレラ・赤痢・腸チフスなどの水を通して伝染する病気を防いでいます。
詳しく浄水場のろ過のしくみを知りたい方は、下記のサイトがおすすめです。
■ 神戸水道局:水道のしくみ
https://kobe-wb.jp/kids/shikumi/
水道水がおいしくなった理由は
法制度のおかげ
水源汚染事件が頻発した昭和の時代、水道水は水質保全の法制度「水道水源特別措置法」と「水道水源特別措置法」の2つの法(水道水源二法)を1994年(平成6年)に整備しました。
この法律は、簡単にまとめると「水質の汚濁の防止、水道水源域の水質保全・国民の健康保護」を目的としたものです。
法が整備されたことにより、水源水質保全事業が実施され昭和後期と令和を比べると、プランクトンや藻類などの窒素源となる「アンモニア態窒素」が激減しています。ほかにも、カビ臭の素となる「2-MIB(2-メチルイソボルネオール)」の値が0に近い定量下限値未満となっています。
高度浄水設備の整備と水のおいしさ満足度
東京水道あんしん診断アンケートで、水の味に関するお客様満足度を調査で平成12年に比べ令和元年では約20%向上しているという結果が出ています。
平成初期に比べて、法が整備されたおかげで水道水源の水質がよくなったことと、浄水処理の技術が確立し高度浄水施設の設備が増えたことが、この満足度につながっているのかと思います。
■ 引用資料:東京都水道局「令和元年度 東京水道あんしん診断報告書」
結論!シャワーの水は飲める
日本のシャワーの水は飲める安全性はありますが、髪の毛の艶をよくしたい!もっとおいしい水がいい!という方にとっては不向きではあります。
気になる方はシャワーヘッドの交換や浄水器の設置をおすすめいたします。
そして、何か水道水で異臭や赤水が出るなどのトラブルが起きた際は、お住いの水道局に相談をすると早く解決できます。
もし、室内の蛇口や水道管から水漏れが起きている場合や交換をしたい場合は、水道業者に修理がどれくらいかかるか見積りをもらい、じっくり検討しましょう。
1社だけではなく、3社程度の複数の水道業者に見積りをもらい「相見積り」をすることで、修理工事の内容や費用の比較ができるのでおすすめです。
全国の幅広いエリアで水のトラブル出張業者が全国の幅広いエリアで水のお困りごとやご相談を承っております。
現地でのお見積り・ご相談は一切無料(点検作業を伴う見積もりは有料)です。
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