窓ガラスの種類 サッシガラスの選び方
窓ガラスを交換したい時に役に立つ窓ガラスの種類と、サッシガラスの選び方を解説。
一般ガラスとは?機能ガラスとは?強化ガラスと防犯ガラスの違いなど、気になるガラスの特徴を詳しく紹介します。
ガラスの種類
窓ガラスの種類は、一般ガラスと機能ガラス(機能性ガラス)があります。
一般ガラスとは1枚の板ガラスのことを指します。
よく窓ガラスに使用されている透明な板ガラス(フロート板ガラス)、ガラスの表面に加工がされ不透明になっているすり板ガラス、ガラスの中にワイヤーが入っている網入り板ガラスがあります。
機能ガラスは、防犯性能や断熱性能など様々な機能をもったガラスのことを指します。
2枚のガラスの間に空気の層がある複層ガラス(ペアガラス)、2枚のガラスで特殊なフィルムを圧着させた合わせガラス、ガラスに特殊加工をした強化ガラスなどがあります。
一般ガラスの種類
住宅のガラスに使われる一般ガラスとは、主な透明な板ガラス(フロート板ガラス)・網入りガラス・型板ガラス・すりガラスの4種類をご紹介します。
- 透明な板ガラス(フロート板ガラス)
フロートガラス・透明ガラスとも呼ばれる、最も一般的に窓ガラスに使われているガラスです。住宅でよく使われているのは2mm・3mm・4mmの厚みのガラスです。
- 網入りガラス
ガラスの中に金網 が入っていることで、火災時のガラスの飛散を防止する防火対策のガラスです。防犯性はありません。
厚みは6.8mmのものが住宅として一般的です。
ガラスの表面に凹凸がある霞 タイプの網入りガラスは、視界を遮る効果があります。ツルツルした面が室外側になります。
型板ガラス
透明なガラスの片面に型模様(凸凹)をつけて視界を遮る加工がされたガラスのことで、霞 と梨地 の2種類があり、梨地のほうが模様は細かくなります。
霞の厚みは4mmと6mm、梨地の厚みの種類は2mmだけとなります。
- すりガラス(すり板ガラス)
透明な板ガラスの片面に不透明になる加工をしたガラスのこと。表面がザラザラしていることで差し込む光がやわらかくなり、目隠し効果があります。厚みは2mm・3mm・5mmがあります。
機能ガラスの種類
住宅のガラスに使われる機能ガラスとは、断熱・遮熱・防犯などの健康を守ってくれたり、役に立つ機能を持ったガラスのことです。主に4種類をご紹介します。
- 複層ガラス
ペアガラスとも呼ばれる2枚のガラスで中空層を作り、断熱性能を持ったガラスのこと。
中空層には乾燥した空気・熱が伝わりにくいアルゴンガスを封入する他に、格子やブラインドを入れた製品もあります。組み合わせによってさまざまな機能を発揮することができます。
3枚のガラスで2つの中空層がある複層ガラスはトリプルガラスと呼ばれます。
Low-E複層ガラス
エコガラスとも呼ばれるLow-E複層ガラスは、Low-e膜という特殊なコーティングがされた複層ガラスで、室内側にLow-E膜があると断熱タイプ、逆に室外側にある場合は遮熱タイプになるガラスになります。
- 合わせガラス
合わせガラスは、2枚のガラスで特殊なフィルム(中間膜)を挟んだガラスです。挟むフィルムの種類によって、防犯ガラス・防災ガラス・防音ガラスなどになり、UVカット効果も発揮します。 - 強化ガラス
強化ガラスは透明な板ガラスに加工し強度が増したガラスです。割れた際に細かく砕け、鋭利な破片にならないことで安全ガラスとも呼ばれています。
ガラスの選び方
窓ガラスが割れてしまって交換する場合は、元々付いていたガラスを同じものを選ぶのが最適です。
ですが、暮らしの中の悩みや目的に合わせたガラスを選びたい際は、専門家に相談するのが一番です。
機能ガラスは一般ガラスよりも厚みがある種類が多く、サッシ(窓枠)も一緒に交換しなくてはいけないことがあります。
ガラス業者やリフォーム会社に窓を見てもらい、どんな悩みを解決したいかと伝え最適な方法を相談しましょう。
では、悩みや目的に合わせてどんなガラスを選べばいいか、そしてそのガラスの特徴について解説いたします。
防犯対策をしたい
警視庁が調査した住宅を狙った侵入窃盗の侵入口の43%は窓です。
侵入手段で一番多いのは鍵の閉め忘れた玄関や窓から侵入する「無締り」ですが、二番目に多いのが「ガラス破り」です。
資料:警視庁HP 東京の犯罪(令和3年版)
空き巣などの侵入窃盗犯は、短時間で侵入できる家を狙います。
そのため戸締りはもちろんですが、簡単に割ることが出来ない窓ガラスにしておくと、犯行を諦めさせることが出来ます。
おすすめなのが「防犯ガラス」です。
防犯ガラス(合わせガラス)
防犯ガラスは、2枚のガラスで特殊なフィルム(特殊中間膜)を挟んだ合わせガラスです。
特殊なフィルムは、ガラスに強力に接着しているので例え衝撃を加えられヒビ割れてもガラスが剥がにくく、鋭利なものを貫通しにくい素材になっています。
特殊なフィルムやガラスの厚みによって防犯レベルが高くなり、防犯ガラスに穴が開くまでの時間がかかるようになります。
空き巣の多くは5分かかると侵入を諦めるというデータが出ていますので、窓ガラスで防犯対策をお考えの方はぜひ、簡単には侵入できない防犯ガラスへの交換をご検討ください。
資料:警察庁HP 住まいる防犯110番
結露対策をしたい
結露の原因は「温度差」です。水蒸気を含んだ温かい空気が、冷たい窓に触れると水蒸気が水滴となり窓にくっついてしまうのが「結露」です。
冷たい飲み物が入ったコップやペットボトルの表面に水滴がついてしまう現象と同じです。
結露対策でおすすめなガラスは「複層ガラス(ペアガラス)」です。
複層ガラス(ペアガラス)
複層ガラスはペアガラスとも呼ばれる、2枚のガラスの間に中空層を作ったガラスで断熱性能に優れているガラスです。
仕組みはダブルウォールグラスと同じで、中空層で外気による温度の変化を防いでいるため結露の発生を防ぐことができます。
窓が外気に影響されないため、冷暖房の効きをよくすることができるので省エネにもつながります。
開放型暖房機を使うと結露が増える
冬場で必要不可欠な暖房機器の中に「燃焼させるために大量の水蒸気を放出する」種類があります。
石油ストーブ、ガスストーブ、石油ファンヒーター・ガスファンヒーターは開放型暖房機器と呼ばれる、結露を発生しやすい環境を作ってしまう暖房機器です。
こちらの暖房機器を使った結露対策は、1時間使用をしたら換気を行うなどの対策が必要となります。
省エネをしたい
夏の暑い日は冷房の設定を低くしないと涼しくなかったり、冬は暖房を強くしないと部屋が暖まらないなど、快適な室温にできないことで光熱費がかさんでしまう場合は、窓ガラスを換えると冷暖房の効きを良くし省エネ(節電)につなげけることが出来ます!
おすすめなガラスは2種類「複層ガラス(ペアガラス)」と「Low-E複層ガラス」です。
複層ガラス(ペアガラス)
複層ガラスはペアガラスとも呼ばれる、2枚のガラスの間に中空層を作ったガラスで断熱性能に優れているガラスです。
仕組みはダブルウォールグラスと同じで、中空層で外気による温度の変化を防いでいるため冷暖房の効きをよくすることができるので省エネにもつながります。
Low-E複層ガラス(断熱タイプ)
Low-E複層ガラス(断熱タイプ)は、2枚のガラスで中空層をつくり外気による温度の変化を防ぎ、Low-E膜という特殊な膜が室内側のガラスにあり室内の熱が窓ガラスから伝わって逃げてしまうのを防ぐ高い断熱性能を持っています。
防音対策をしたい
外からの音や室内からの音漏れが気になる場合、窓ガラスを防音性能があるものに交換をすることが効果的です。
おすすめのガラスは「防音ガラス(合わせガラス)」「防音複層ガラス(異厚複層ガラス)」です。
既存の窓にもう一つ窓を取り付ける「内窓」もおすすめです。
防音ガラス(合わせガラス)
防音ガラスは、2枚のガラスで特殊なフィルム(特殊中間膜)を挟んだ合わせガラスです。
特殊なフィルムによって音の波が軽減・消滅されます。中間膜があることで、災害時や衝撃でガラスが割れてしまった際にガラスの破片が飛散するのを防ぐことが出来ます。
防音複層ガラス(異厚複層ガラス)
厚みの違うガラス2枚で中空層をつくった防音複層ガラスは
一般的に室外側のガラスは6mm・室内側は4mmの厚みの違うガラスで音の振動は軽減・消滅され、中空層は熱が伝わるのを防ぎます。
厚みのあるガラスを使用した複層ガラスになっているため、交換の際はサッシの交換も必要になる場合があります。
防災対策をしたい
地震でのひび割れや台風の飛来物による破損の他に、転倒して窓ガラスにぶつかってしまうなどの災害に対して備えたい方におすすめなのが「防災安全合わせガラス」「防災安全合わせ複層ガラス」です。
防災安全合わせガラス
防災安全合わせガラスは、安全ガラスで特殊中間膜を挟んだガラスです。もしも、衝撃で割れてしまっても特殊中間膜にガラスがしっかり圧着しているので破片がほとんど飛び散らず、物も貫通しにくい耐貫通性があります。
特殊中間膜は、60mil(約1.52mm)の厚みがあり防犯としても優れています。UVカット効果もあるため、床や家具の日焼けを防いでくれます。
防災安全合わせ複層ガラス
防災安全合わせガラスをしようした複層ガラスが防災安全合わせ複層ガラスです。
防災安全合わせガラスの耐貫通性・防犯性・UVカット効果に、断熱効果が加わり、より安心できる窓辺にすることができます。
室内側が安全合わせガラスのため室内の熱が窓ガラスから逃げにくく、冷暖房の効きが良くなるため省エネにつながります。
外から見えにくくしたい
リビングの窓ガラスが通りに面していたり、部屋の窓が隣の家と近い際は、視線が気にならなくなる「型板ガラス」「装飾合わせガラス」「ブラインド入り複層ガラス」がおすすめです。
光を取り入れながらも視線を遮ることが出来るガラスで、快適な窓辺を演出することができます。
窓ガラスを交換できない場合は、目隠し効果のあるガラスフィルムを貼るのがおすすめです。
型板ガラス
窓ガラスに使用する種類は
装飾合わせガラス
装飾合わせガラスは、2枚のガラスで装飾のあるフィルム(中間膜)を挟んだガラスです。
メーカーによって取り扱っている柄や色が異なり、様々な種類があります。
和紙を挟んである製品もあり、光を通しながらしっかりと目隠し効果が期待できるガラスです。
ブラインド入り複層ガラス
ブラインド入り複層ガラスは、2枚のガラスの間にブラインドが入っている視線を遮る効果と断熱効果があるガラスです。
ブラインドは中空層にあることで汚れの心配がないため、キッチンや浴室の窓ガラスにもおすすめです。
ブラインドはスラットの向きでブロックできる視線が変わる!
ブラインドの羽根部分を「スラット」と呼びます。スラットの凸面は室内側・室外側に傾けることができます。
その傾ける向きによって遮ることができる視線が異なります。
- 凸面を室外側に向ける
直射日光を遮ることができ、窓から上の目線と横からの目線をブロックすることができます。ですが、下からの目線には弱くなります。
- 凸面を室内側に向ける
日光を取り入れることができ、窓から横からの目線と下からの目線をブロックすることができます。ですが、下からの目線には弱くなります。
- 夜間は凸面を室内側に向けしっかり閉じる
凸面を室内側に向け完全に閉じることで、室内の光が漏れにくくなり、外からシルエットが見えなくなります。
ガラスの交換方法は?
もし窓ガラスを割ってしまった際は、ガラス業者にガラスの割れ替えを依頼する必要があります。
お住いが賃貸の場合は、管理会社・大家さんへ連絡をして業者を手配してもらいましょう。
戸建ての場合は、ご自身でガラス業者を探す必要があります。
相見積りで料金を比較
ガラスの交換費用は、ガラスの大きさ・ガラスの厚み・ガラスの枚数・ガラスの種類で変わります。
業者によっては、交換費用以外に見積り料金や基本料金などがかかる場合があります。
何にどれだけ費用がかかっているのかを知るには、見積りをもらう必要があります。
出来るだけ安く済ませたい場合や、ガラス交換の相場を知りたい場合は、複数の業者から見積りをもらう「
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相見積りをされる場合は、その旨をお伝えください。
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